京都西山(大原野)
旅行日:2004年2月11日

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「そうだ、京都行こう」
ってことで、たまには地元京都をうろついてみようかと西山地区を訪れました。
京都に住んでいながら、西山方面って今まであまり訪問したことがありません。
というのも、私の住んでいる山科から西山方面に向かうと、渋滞の名所(?)を
避けられない(どっから向かっても)ので、距離のわりに時間がかかることや、
道が狭いというイメージが強いことから、どうしても避けてしまっていました。

まずは大原野神社を目指すことにします。洛北高校の横から細い地元道に入りこ
んでしばらく走ると大原野神社の鳥居が右手に見えてきました。左手にある正法
寺に駐車場マークは出ているんですが、狭い様子。仕方がないので、そのまま通
りすぎると、大きい駐車場がありました。一台400円とのことですが、管理所
は無人...どーやって払うんだ?と覗きにいったら、缶がおいてありました。
そこに400円を投入して、メモ帳に車番を記入。んで領収書が置いてあるんで
それをもらってくる...そういうシステムになっていました。

大原野神社は、桓武天皇が長岡京に遷都されたとき(784年)に、藤原氏など
が氏神であった奈良 春日大社を分詞したのが、始まりとされています。その後
60年ほどして文徳天皇によって社殿が築かれたと伝えられています。由緒のあ
る神社です。春日大社の分霊を祀られているからか、狛犬さんではなく鹿さんが
社殿を守っています。また猿沢池ならぬ鯉沢の池が境内にあります。社殿は春日
造り総桧皮葺きとなっており、慶安年間に再建されたものとされています。
御祭神様は、春日大社と同じ建御賀豆智命(たけみかづちのみこと)、伊波比主
命(いはいぬしのみこと)、天之子八根命(あめのこやねのみこと)、比淘蜷_
(ひめおかみ)の4柱を祀っています。

境内には清和天皇が産湯を使ったとされる、瀬和井があります。後に大伴家持が
愛飲したとも伝えられています。

上:狛犬さんならぬ、狛鹿(?)さん

左:本殿

引き続き、本殿に向かって左手にある脇参道を抜けて花の寺(勝持寺)へ向かいま
す。竹藪の中を抜けると、まっすぐ登っていく花の寺への参道に出ます。この坂は
すごく急で、自転車では通りたくないなといった感じの坂です。思ったより長く
「本当にこの道であっているのだろうか?」と不安になる頃、ようやくお寺に到着
しました。拝観料の400円を払って境内に入ります。
花の寺こと勝持寺は、その名の通り花(桜)で有名です。桜の季節や紅葉の季節に
は観光客であふれるであろうお寺もこの季節は閑散としています。
正式な寺名は「小塩山大原院勝持寺」といい、680年に天武天皇の勅令によって
創建されたとされる古刹です。その後791年伝教大師が桓武天皇の勅を奉じて、
堂塔伽藍を再建されたとのことです。だからお寺は天台宗となっています。なお現
在の伽藍は応仁の乱で消失した後、再建されたものです。
ご本尊は薬師如来様で、その胎内仏様も厨子に収められています。このお寺が花の
寺と呼ばれるようになったのは、鳥羽上皇に仕えていた北面の士佐藤兵衛義清が1
140年にここで出家し一本の桜を植え、庵を結び吟愛していたことからきていま
す。今では400本あまりの桜があります。

花の寺へ向かう参道

花の寺(勝持寺)山門

西行桜

境内を望む(枯れ木は全部桜)

本堂の脇の小山の上に不動堂があり、その奥の岩の中に石不動様が祀られていま
す。こちらは弘法大師さまが眼病に悩む人々のために不動明王に病魔退散を祈願
されたところ霊験あらたかであったため、石不動様を刻んで岩の中に安置された
と伝えられています。
思ったより、落ち着いた場所でした。こういった季節にきて、ゆっくりと仏様や
景色を愛でるというのも贅沢な時間ですね。

(by たぬちゃん)