夏長崎から(霧島・日南・熊本・長崎)
旅行日:2005年8月3-7日
<8月4日>
本日の予定は、日南海岸をドライブ後、トヨタレンタカー鹿児島中央営業所にて車を返却
し、九州新幹線で熊本へ移動となっています。出来れば16時56分発に乗りたい(新八
代までノンストップ)ため、逆算するとレンタカー返却は16時目標ということになりま
す。昨日同様前半に余裕を持たせるため、ホテルを7時前に出発。宮崎市内にはコンビニ
や、ファミレスがあったのですが「もう少し先にもあるだろう」と一路青島に向かって急
ぎましたが、これが大失敗。さほど大きくない市街地を抜けると、コンビニどころかお店
がまったくありません。そのまま青島へ到着。道沿いに青島神社の駐車場があったのです
が、営業開始が8時ということもあり、無人状態。気持ち悪いので、真向かいにあった民
間駐車場に停めました。一回500円ということで、九州にすれば高いのかもしれません
が、京都からするとまあ普通のお値段。奥から詰めるのではなく、日陰を優先的に選ばせ
てくれたりと、非常に親切でした。
青島への参道は、時間が早いこもとあり、まるでゴーストタウン。約20年前に修学旅行
で訪れた時は、もっと賑わっていた記憶があるので、違う場所に来たようです。青島に渡
る橋も立派になっているようで、余計そう感じたのかも知れません。青島はビロー樹など
の亜熱帯植物に覆われており、周りは「鬼の洗濯岩」と呼ばれる隆起海岸になっています。
この「洗濯岩」は、引き潮の時しか見ることが出来ないそうですから、時間的にはちょう
どよかったようです。
島の中央には、毎年巨人軍が必勝祈願をすることで有名な、青島神社があります。巨人選
手が奉納した絵馬がおいてあったり、長嶋の蝋人形があったりと、巨人関係のものが多数
あります。
国道220号をさらに南下していくと、突然視界が開け海が広がります。そこが堀切峠。
日南海岸の象徴的な風景です。が、駐車スペースはほとんどなく、当日も停めることがで
きませんでした。仕方ないので、そのまま道の駅フェニックスへ。ここは昨年道の駅にな
ったばかりです。とはいえもともと「フェニックスドライブイン」として営業されていた
建物なので、かなりくたびれています。
ここからの眺めは非常にすばらしく、隆起海岸と青い海・空を存分に眺めることができま
す。一応、海岸まで降りることが出来るようで、遊歩道があるのですが、その入り口には
「体力に自信のない方はご遠慮下さい」という看板が...自信がない私は当然遠慮させ
ていただきました。
ここで朝ご飯を食べるつもりだったのですが、併設されているレストランはハワイ料理の
店で、どう考えても「朝食」ではありません。仕方がないので、次の目的地へ向かうこと
にしました。
またもや国道220号を南下して(このあたりの眺めは非常にすばらしい。まさにドライ
ブ! といった爽快感を味わえる)鵜戸神宮へ。この神社の歴史は古く崇神天皇の御代に
まで遡るとも言われています。海幸彦(火照命)から借りた大切な釣り針をなくしてしま
った山幸彦(火遠理命、またの名を天津日高日子穂穂手見命)が困り果て、塩椎神の助言
に従って綿津見神の宮へ赴き、そこで綿津見神の娘である豊玉姫と出会い、二人は結ばれ
ます。しかし元の国が恋しくなった山幸彦は、豊玉姫を置いて戻ってきました。そのとき
豊玉姫は山幸彦の子供を身ごもっていたため、山幸彦に産屋をつくっておくよう依頼しま
した。その産屋が鵜戸神宮の洞窟と言われています。鵜の羽で飾られた美しい産屋だった
ものの、完成が間に合わなかったため、そこで生まれた子供は鵜葺屋葺不合命(うがやふ
きあえずのみこと)と名付けられました。その鵜葺屋葺不合命を祀っているのが、鵜戸神
宮です。この時、決して産んでいる姿を見てはいけないと言われていたにも関わらず、山
幸彦が産屋を覗いたところ、そこにはワニに戻って出産している豊玉姫がいました。醜い
姿を見られた姫は「ここにとどまることは出来ない」と綿津見神の宮へ戻ってしまいます。
その際、子供を育てるために自らの乳房を置いていったと言われ、洞窟内には「乳房石」
として残っています。また自分の妹である玉依姫を乳母として遣わし、育てさせました。
後に玉依姫と鵜葺屋葺不合命の間に出来た子供の中に、後の神武天皇がいます。
といった、由来があることから「安産、縁結び」の神様として知られています。海岸には
亀石枡形岩というのがあり、亀のような岩の背中に枡形のくぼみがあります。ここに、運
玉という石を、男性は左手で、女性は右手で投げ入れ、見事はいると願いが叶うといわれ
ています(もともとは小銭を投げていたそうですが、周りに散った小銭を集める子供が後
をたたないため、昭和27年に今の形に変わったとのこと)私も挑戦しましたが、案外難
しく、成功させることは出来ませんでした。
ここまでで、日南海岸の主な観光地はすべて終わりました。時間はまだ11時30分とあ
まり過ぎています。そこで、予定していなかった都井岬まで足を伸ばすことにしました。
都井岬は、半野生馬の生息地として知られています。途中、駒止の門で野生馬保護基金と
して400円を払い、岬へ。ガイドブックでは「車では行けない」と記載されていた灯台
まで、なぜか車で乗り付けることが出来ました。空いていたから? でもちゃんとした駐
車場もあったんだけどなあ...
馬はいたるところにいます。人に慣れているのか、近くまで寄っても逃げていくことはあ
りません。芝生の緑と馬の茶色、バックに広がる青い海と空という、まさに「大自然」な
写真を撮ることが出来ました。
馬をぼーっと眺めている時間が思ったよりも長く(時間を忘れていた)、今度はギリギリ
になってきました。仕方なく今回は「利用しない」と決めていた高速を使いレンタカーを
返却したのは、午後4時30分でした。レンタカー営業所の方に鹿児島中央駅まで送って
もらい、切符を購入したのが45分。なんとかギリギリ新幹線に乗ることが出来ました。
駅の案内も、車内放送もなぜか「博多」行きなんですね。新八代で「リレーつばめ」に乗
り換えて博多まで行けることは事実ですが、乗り換えが発生するんだから「新八代」行き
と表記したほうが混乱が少ないような...
つばめ車内は、木をふんだんに使った座席が並び、あまり新幹線らしくありません。また
当然というかその行程のほとんどがトンネルなので、乗って楽しいものではないですね。
新八代でリレーつばめに乗り換え、熊本へ。熊本駅前から路面電車に乗って、辛島町まで。
そこからすぐのホテルが本日のお宿です。荷物を置き、すぐ近くにある繁華街へ。最初に
目についた十徳やという居酒屋へ。地の魚がトロ箱に入れておいてあり、お刺身だけでな
く塩焼きなども楽しめる非常にすばらしい居酒屋でした。別に馬刺食べなくても、十分お
いしいものがありますね。熊本には...
ここまでが、一人旅でした。明日の夕方からはいよいよ稲佐山へ向けて、仲間たちが集ま
ってきます。二日間とはいえ、灼熱地獄の中を歩き回っていたので、明日に向けて体力回
復です(明日も7時40分のバスなんで、あまりゆっくり寝ていられない...)
(by たぬちゃん)